le 9 août, 2022
化学夏期講習 復習 (電気分解の電極反応)
電気分解の問題は,電極反応が書けるかどうかが分かれ目です。
ちょっと復習しておきましょう。
※ ちょっと解説
「なんで,2種類の反応式があるの?」 という質問があります。
<陽極での酸素発生の式について>
陽極にはOH-が引き寄せられ,酸化されてO2が発生します。
4 OH- → O2 + 2 H2O + 4 e-
この式は塩基性のときはOKですが,中性や酸性のときはまずいのです。
溶液中のOH-が極めて少ないから,すぐに無くなります。
すると水の電離がどんどん進んで,OH-を作り出すのだ。と考えると良いでしょう。
作られた途端にOH-はO2に変わってしまうので,結局H2OがこわれてO2を発生
し続けていることになります。そこで,
4 OH- → O2 + 2 H2O + 4 e- ×1
+ ) H2O → H+ + OH- ×4 で,4OH-を消去すると ※2H2Oも両辺から消えます
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2 H2O → O2 + 4 H+ + 4 e- が得られます。
<陰極での水素発生の式について>
陰極にはH+が引き寄せられ,還元されてH2が発生します。
2 H+ + 2 e- → H2
この式は酸性のときはOKですが,中性や塩基性のときはまずいのです。
溶液中のH+が極めて少ないから,すぐに無くなります。
すると水の電離がどんどん進んで,H+を作り出すのだ。と考えると良いでしょう。
作られた途端にH+はH2に変わってしまうので,結局H2OがこわれてH2を発生
し続けていることになります。そこで,
2 H+ + 2 e- → H2 ×1
+ ) H2O → H+ + OH- ×2 で,2H+を消去すると
-------------------------------------
2 H2O + 2 e- → H2 + 2 OH- が得られます。
※ 燃料電池のリン酸型と,KOH型の反応式も,反応は電解の逆ですが,
水の電離平衡の式を都合の良い向きに使って,
極めて少ないイオンを式から消すようにすると良いでしょう。 G
le 10 août ,2022
※ ちょっと解説その2
「塩基性での酸素発生の反応式は,H2Oが入って面倒だと思っていました。
O2をつくるのだから,2 OH-で良いのでは?」
「簡単に, 2 OH- → O2 + 2 H+ + 4 e- ではだめなのですか? 」
という質問があります。
気が付いた人も多いと思いますが,先の質問の場合と同じように考えると良いのです。
塩基性の溶液中にH+ が生じたとすると,周りに大量にあるOH-と反応(中和)して,
ただちにH2Oに変わるでしょう。
そこで,
2 OH- → O2 + 2 H+ + 4e- × 1
+ ) H+ + OH- → H2O × 2 で,2H+ を消去し,
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4 OH- → O2 + 2 H2O + 4 e- とした方が良いからですね。
ちなみに,
OH-の場合も,H2Oの場合も,O原子の酸化数は-2です。
そのO原子2個が酸化数0のO原子2個になり,O2を作るので,
酸化数の変化分の電子4個を放出します。
ファラデーの法則のところでやったように,O2が発生する
式(電気分解)でも,O2が溶けてイオンになる式(燃料電池)でも,
O21molには,必ずe-4molが対応しています。
G
le 11 août ,2022
では,練習問題の解答です。できましたか?